ノース・バンクーバー North Vancouver 〜 スコーミッシュ Squamish 〜 ウィスラー Whistler バンクーバーを出発したら、ノース・バンクーバーのハイウエイ99号線に入り、まず西に向かいます。フェリー・ターミナルのあるホースシュー・ベイ Horseshoe Bayをこえると、入り組んだ海岸線沿いに走る道路がやや狭くなります。しばらくは緑の小島が浮かぶハウ海峡を左手に、北に向かって走ります。このあたりは、切り立った崖が海岸線まで迫ったところで、ときおり併走するBCレイル鉄道の線路が目に入ります。この路線は観光用の蒸気機関車が走ることでも知られています。約1時間ほどで最初の町スコーミッシュに到着します。ウイスラー・ビレッジまでは、ここからさらに約60km。このあたりから、道路は次第に標高を上げていき、周囲には夏でも山頂に雪を頂いた山々が見えはじめます。 ウィスラー Whistler 〜カムループス Kamloops ウィスラー・ビレッジを出ると、カムループスまで大きな町はありません。ペンバートン、リルーエット、キャッシュ・クリークなどの小さな村でもちょっとした食料品の入手や給油はできますが、あまり便利とは言えません。ペンバートンを過ぎると道はかなり狭くなりますが、それでも大型のキャンピング・カーがたくさん走っているので孤独感を感じることはないでしょう。ときおり川と交差しながら、人里離れた山道をひたすら走っていきます。 リルーエットからキャシュ・クリークのあたりは、いくつかの牧場が点在していて、中にはゲストランチ(Guest Ranch)として宿泊客が滞在できるところもあります。またこのあたりは、かつてゴールドラッシュで栄えた地域でもあり、このあたりの国道97号線はゴールドラッシュ・トレイルと呼ばれています。リルーエットから、キャシュ・クリークにかけては風景が大きく変わります。これまでの山道とは違って、半乾燥の荒涼とした原野の中を走っていきます。道路は97号線から国道1号線(トランス・カナダ・ハイウエイ)になります。交通量は少ないものの、大陸を横断する幹線道路でもあるので、材木などを積んだ大型のトレーラーが猛スピードで走ってゆくのをときおり見かけます。 カムループス Kamloops トランスカナダ・ハイウエイの366番または367番出口を下りると、カムループスの市街に入ります。カムループスはハイカントリーの中心となる街で、バンクーバーとジャスパーのほぼ中間に位置しているので、ビーバー街道の中継地点として良く利用される、人口約5万人の町です。ノースバンクーバーやウィスラー方面から入るルート(ビーバー街道)でもアクセスできますが、時間を節約するなら、ほぼ全区間がハイウエイとなるルートの国道1号線/5号線を使うのも1つの方法です。 宿泊施設としては大型のホテルは少ないですが、数多くのモーテルが立ち並んでいます。日本にはほとんどない、これらの宿泊施設を使うのは実におもしろい体験で、北アメリカ大陸をロング・ドライブしているんだ、ということを実感できます。カムループスには大型のレストランやスーパーもあるので、翌日のための食料品を買っておいた方が良いでしょう。それと給油を忘れずに。 ここからジャスパーへは国道5号線(ビーバー街道)、バンフやレイクルイーズへは国道1号線(トランス・カナダ・ハイウエイ)に入ります。 カムループス Kamloops 〜 ジャスパー Jasper カムループスを出ると、5号線(イェローヘッド・ハイウエイ)をずっと北上することになります。やはりこのルートもジャスパーまで大きな町はなく、リトルフォート、アヴォーラなどの村で休息を取る以外にありません。カムループスからの景色はやや単調であり、運転をするには少々大変なところかもしれませんが、走っても走っても果てることのないハイウエイは、ドライブの好きな人には大きな楽しみだといえます。また途中の村クリア・ウオーターからは「水の公園」とも呼ばれるウエルズ・グレイ州立公園にアクセスできます。カムループスを出て約340km、Tete Janue Cacheに入ると三叉路があるので、これを右折します。ここからハイウエイは16号線になります。 ジャスパーへ向けて車を走らせると、突然、カナディアン・ロッキーの最高峰であるマウント・ロブソン(Mt.Robson:3954m)の威容が姿を現します。ハイウエイがまるでマウント・ロブソンに続いているかのように、真っ正面に見ることができます。 ハイウエイはまもなくイエローヘッド・パスにさしかかります。この峠はブリティッシュ・コロンビア州とアルバータ州の州境になっており、また太平洋標準時(Pacific Time)と山岳部標準時(Mountain Time)を分ける境にもなっています。つまり、この州境を越えることで時差が1時間あるわけで、車で走っていて時差が生じるという、日本にいるとできない貴重な体験ができます。 州境を越えると、まもなくジャスパーに到着します。ジャスパー国立公園のパーク・ゲートが見えてくるので、ここで滞在日数分の 公園使用料を支払います。このときもらったレシートまたは年間パスは、車の前の見やすい場所に必ずおいておきます。