個人で海外を旅行するためには、当然ながら、ある程度の外国語会話力が必要になります。日本人は学校で英語の教育を受けているので、カナダやアメリカのような英語圏の国への旅行は、フランスやイタリアなど、非英語圏の国へ行くよりも、やりやすいと思われます。とりわけカナダ人の英語は、なまりの少ない「きれいな英語」を話す人が多く、親切な人が多いので、英語を使った旅行が最もしやすい国の1つだと思います。カナダは伝統的に移民が多く、外来者に対して親切であること、おおらかな国民性、観光地として世界中からの旅行者を受け入れていることなどの点もあるといえます。私の経験でも、アメリカやイギリスよりも英語が通じやすいと感じています。
しかし自分自身が旅程に全責任を持たなければならない個人旅行では、現地の人とコミュニケーションをとるための会話力が必要になります。
ここでは、私自身の英語学習の経験(TOEICを8回受験しています)から、カナダ個人旅行でどの程度の会話力が必要かを、主観的に書いたものです。これから初めて個人旅行へ行かれる方は、「自分は現地で何ができるのか?」を考える材料にしていただければと思います。
※英語力の尺度として、学生から社会人まで広く受験されているTOEICを使って説明しています。
TOEICスコア:400〜500点
会社などで強制的に受けさせられるTOEIC団体受験(IPテスト)の平均が400点台前半ですから、日本人の平均的なレベルに近いといえます。しかし単独での旅行はかなり困難です。より英語力の高い人、添乗員や現地日本語ガイドの同行が必要になります。
あいさつを交わす程度はできますが、商店やレストランなど、ほとんどの場面で自分の言いたいことをスムーズに伝えられないもどかしさを感じます。ほしい品物を告げるなど、自分の意志を何とか伝えることはできますが、いろいろと言い返されると理解できなくなります。また相手の表情が見えない電話での会話は困難です。相手にゆっくり話してもらう、何度か言い換えてもらうなど配慮をしてもらう必要があります。
テレビや映画は、映像を見て情報を得るのにとどまります。
英検2〜3級、国連英検C〜D級程度。
TOEICスコア:500〜600点
TOEICの一般受験(大部分は自発的に受験する人?)の平均点が500点台半ばですから、英語学習に関心を持っている人の平均レベルと言えます。個人旅行では最低限必要な英語力でしょう。
特にトラブルがなければ、不安ながらも旅行を進めることができます。出発前に会話集などで「想定問答」を覚えて行くなどの対策があれば、緊張を和らげることができます。突発的なトラブルの処理は難しくなりますので、より英語力の高い人が同行するのが望ましいと思われます。
表現力の乏しさは、身振りと表情で、ときには勢いとノリで、ある程度カバーできますが、まだ自分の意思を十分に伝えることはできません。相手の言うことを全て理解しきれませんが、なんとか雰囲気でつかめます。十分なコミュニケーション力がないので相手を困らせることがあります。
テレビや映画は、やはり映像を見て情報を得るのにとどまりますが、有名な地名や人名はときどき耳に入ってきます。
英検2級、国連英検C級程度。
TOEICスコア:600〜700点
通常の個人旅行では、トラブルがなけれは問題なく進めることができます。日常の生活をこなすこともできるようになります。海外出張も単独で行くことができ、自分の仕事に関することなど、守備範囲内であれば、コミュニケーションをとることができます。
定型的な問答であれば、受け答えができるので、レストラン・商店・空港のカウンターなどでも、スピードを加減してもらえば、ほとんどの用事を済ますことができます。電話でも、相手の発音がゆっくりで明瞭であれば、ホテルやレンタカーの予約を取ったり、航空券のリコンファームをすることができるようになります。自分の意思を伝えて、「よし、通じた!」という達成感が得られ始めます。
テレビのニュースや映画は、部分的に理解できます。
英検準1〜2級、国連英検C級程度。
TOEICスコア:700〜800点
日常生活の大部分のコミュニケーションが、問題なくとれるようになります。留学や海外勤務が現実的なレベルになります。授業を聴いたり、自力で商談を進めたりできるようになります。
スピードを加減してもらえば、大部分の会話は成り立ちますので、レストラン・商店・空港やレンタカー会社などのカウンター、各種チケット売場などで、ほとんどの用事が済ませます。電話での予約や飛行機のリコンファームがほぼ問題なくできるようになります。このレベルに達すると、定型的な会話では、もう「通じた!」という感動はしなくなります。
しかし事故や盗難などのトラブル時には、法律用語・医療用語などのボキャブラリーの弱さが障壁になり、自力での解決が困難な場合があると考えられます。より英語力の高い人に協力してもらう必要があります。
テレビは映像情報があるので、ニュースなどを画面を見ながらある程度理解できます。映画や演劇は、微妙な言葉のやりとりがまだ理解できませんので、十分に鑑賞できるレベルではありません。ラジオは音だけの情報であり、部分的にしか理解できません。また訛りのある人・早口の人・年輩の人・子供の話は、一部理解できません。
英検準1級、国連英検B級程度。
TOEICスコア:800〜900点
800点台、900点台は今のところ私にも経験がないので、推測の域を出ませんが・・・。
日本国内でずっと生活していても、長期間の努力により到達が可能なレベルですが、それでも800点を超えるのは、TOEIC受験者の7〜8%に過ぎません。その多くは帰国子女か留学経験者、海外勤務経験者、職業として英語を教えている人などと考えられます。
テレビのニュースがほとんど理解できるようになります。映画やラジオを、かなりの程度理解できるようになり、徐々にジョークも理解できるようになります。海外生活や旅行では、言葉の面で苦労することはかなり少ないと考えられます。
英検1級、国連英検A級程度。
TOEICスコア:900点以上
原則的に英語圏での数年の居住経験がなければ到達困難なレベルです。日本国内での生活だけで、独学または語学学校での学習により、900点レベルに到達する人がまれにいますが、これは相当の努力が必要であり、例外的な人です。TOEIC受験者の1%程度です。
英語圏での日常生活・仕事・留学にはまず問題がなく、ネイティヴ・スピーカーとほぼ対等にコミュニケーションがはかれます。かなり困難なトラブルも自力で解決できるレベルです。
映画やテレビ番組を英語で鑑賞でき、コメディやジョーク、視覚情報がないラジオ番組も大部分理解できると考えられます。日本においては、尊敬のまなざしで見られることがあります。
英検1級、国連英検特A級程度。
ケベック州は公用語がフランス語で、ほとんどの人がフランス語を話しています。ケベック州を旅行するとき、フランス語会話力は必要でしょうか?
結論から言うと、一般的な旅行では、英語ができれば問題ありません。州内のホテル、空港カウンター、レンタカー会社、商店やレストランのスタッフ、鉄道やバスの乗務員など、観光客が接するであろう人たちは英語を問題なく話します。少なくとも大部分の日本人よりは英語ができますので、フランス語でコミュニケーションをとらなくてはならないことは、まずありません。小さな町で年配の人などは、必ずしも英語を話さない人もいるようです。
ただ、レンタカーでケベック州内を走るときは、最低限、道路標識だけは理解できるようにしておく必要があります。標識の形は他の州と同じですので、以下の基本的な単語を覚えておけば良いと思います。
・東 Est、 西 Quest、 南 Sud、 北 Nord、 左 Gauche、 右 Droit
・止まれ Arret、 停止線 Ligne
D'arret
・行き止まり Cud-de-sac
・観光案内所 Information Touristique 、 駅 La
Gare 、 中心街 Centreville
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