【0730】Reader's Report
Q:トロントのSARS流行に関する情報を整理してみました。

A:本日(5月28日)の新聞などでは「トロント周辺で自宅隔離3442人」という報道がされています。ただこれは感染者数というわけではなく、「感染した人と接触したと思われる人」などを自宅から出ないように指示したというニュースです。いずれにしても、これからカナダへ旅行する方、またはその家族・友人の方々には、SARSの感染が非常に心配なことと思います。当掲示板は「カナダへ旅行する方のお役に立てるように」開設しているものですので、ここで一度、旅行者の皆さんがこの事態に対してどう対処するのが良いかまとめてみたいと思います。
私自身、旅行業に携わるプロでもなければ、医者でもありません。一般人が知りうる情報のみが根拠ですが、判断材料の足しにしていただければと思います。
◆カナダの流行状況
まず現在のカナダのSARS流行状況を確認しましょう。本日 5月28日現在、厚生労働省のSARS情報ページに掲載されていた「SARS可能性例」の"累積報告数"、"死亡者数"、"回復者数"は
中国    : 5316、317、2829
香港    : 1726、267、1276
台湾    : 585、72、112
シンガポール: 206、31、163
カナダ   : 148、26、110 となっています。(参考:米国 65、0、33)
「自宅隔離3442人」と聞くと直感的に大流行地域のような錯覚に陥りますが、冷静に可能性例の報告数を見ると、それほどではないという印象も受けます。もちろん、現時点では世界で5番目に感染者数(可能性例)の多い国であるのは事実です。死亡者率が高いのも気になります。
◆危険な場所・安全な場所の差はあるのか?
私たち一般の旅行者にとっては、テレビ・新聞の報道や関連機関(外務省、厚生労働省、あるいはWHO)の発表する情報を正しく把握し、風評などに惑わされず、冷静に判断することが必要と考えます。今回の場合、カナダの中で「トロント」だけがクローズアップされていますが、人の往来がある以上、トロントのみがピンポイント的に危険な場所というわけではないはずです。なのでトロントを通過するから危ないとか、カナダ東部が危ないという考え方は非合理的と言えます。言い換えると「トロントに寄らなければ安全」ということも言えません。バンクーバーだっていつか隔離者が出るかもしれない、その可能性はあるはずです。長い目で見れば、有名観光地であるナイアガラも、カナディアン・ロッキーにも伝播する可能性は否定できないわけです。もっともSARSがここまで拡散する事態になっては、米国もヨーロッパも日本国内も、安全とは言えなくなっている可能性あるのではないでしょう。だから現時点では、カナダに行くことを不必要に恐れることはないのではないでしょうか?
夏場は温度・湿度が高く、感染が拡大しにくいという学説がアメリカの科学者らから発表されています。この説が正しいとすると、これから先しばらくは北半球での流行がおさまってくる可能性もあります。この夏の観光シーズンには多少の安心材料になるかもしれません。
このような状況をふまえて、カナダへの渡航がどうしても心配な方は、やむを得ず旅行を中止されるのが良いと思います。逆にあまり不安を感じない方は、「考えられる対策」をしながら旅行を実行されるのが良いと思います。ただ、いずれにしても、高齢の方は渡航を避けるのが賢明のようです。
◆旅行中の注意点、旅行者が身を守るために
「考えられる対策」としては、以下のようなものが挙げられます。
1.ウィルスを通さない高性能マスクを着用する
2.人の多数集まる場所に長時間滞在しない
3.手洗い、うがいを頻繁に行う
4.食事や十分な休息をとって体力の消耗を抑える
5.旅行中または帰国後の健康状態に気を付け、異常を感じたときは早めに医師の診察を受ける。
人の多数集まる場所としては、公共施設(空港、駅など)、美術館・博物館等、観光アトラクション、ショッピングモールなど考えられます。多数の乗客が乗る交通機関(航空機、鉄道、バス、タクシー)も同じような注意が必要と考えて良いでしょう。ホテルのロビー、エレベーター(のボタン)、階段などの手すり、客室内は、安全意識の高いホテルであれば適宜消毒がされているのではないでしょうか。その点でもできるだけ近代的で清潔なホテルを選択するのが良いと思います。ホテルに着いた後の消毒用に、薬用せっけん、アルコールスプレーなどを持参するのも1つの手です。また不衛生になりがちな公衆トイレはなるべく使用を避けるのが良いと思います。
パッケージツアーの場合、ツアーを主催する旅行会社がこまめに情報収集を行っているはずです。参加者の方は旅行会社からの案内に耳を傾けてください。最悪の場合(流行が拡大した場合)、ツアーは中止される可能性があります。
個人旅行の場合は、旅行者の皆さんが自分自身で責任をもって情報を収集してください。下記のサイトが有用と思います。
厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/)
厚生労働省・検疫所(http://www.forth.go.jp/)
外務省・海外安全ホームページ(http://www.pubanzen.mofa.go.jp/)
[投稿者:Tom(管理人)  投稿日:2003年5月]

戻る〕 〔トップページへ戻る