セントローレンス川沿いに発展したケベック州は、フランス系住民が人口の約80%を占め、また準州を除く10州の中で最大の面積をもつ州です。セントローレンス川沿いの、早くから開拓された南部から、数多くの湖沼が点在するローレンシャン台地、ツンドラ地帯の北部まで、景観は変化に富んでいます。モントリオール、ケベック・シティなどの主要都市を中心に、約700万人の人が住んでおり、隣のオンタリオ州とならぶ人口の密集地でもあります。
ナイアガラからケベック・シティに向かう約800kmの通称「メープル街道」は、カナダではヘリテイジ・ハイウェイと呼ばれていて、沿道にはカナダ開拓の歴史を感じさせる見どころが点在しています。ケベック・シティやモントリオールの旧市街、トロワ・リビエールなどの古都には、中世のヨーロッパを思わせる街並みも残っています。歴史あるケベックシティ、北米のパリと称されるモントリオールなどフレンチ・カナダの風情ある都市を訪れるのがおすすめです。またレンタカーを使ったドライブでは、世界的な紅葉の名所として知られるローレンシャン高原が素晴らしいです。

まずトロントに入り、ここからモントリオールやケベック・シティへ空路、鉄道あるいはバスなどで行くのが一般的です。トロント−モントリオール間の空路は、フライトが頻繁にあり、スケジューリングには不自由しません。しかしトロント−ケベック・シティの直通は便数が少ないので、日程を組むのに注意が必要です。便数の多いトロント−モントリオール便と、そこからケベック・シティまでの便を乗り換えるという方法もあります。
また、これら3都市の間は大陸横断鉄道(VIA)で結ばれているので、車窓の景色を楽しみながらの列車の旅もおすすめです。その他には長距離バスを使う方法やレンタカーがあります。ローレンシャン高原へは交通機関が乏しいので、レンタカーを利用する方が良いでしょう。
モントリオール市内は、地下鉄が発達していて、市内をまわるには便利です。またケベック・シティ市内の主な見どころは、ほとんど旧市街に集中しているので、観光は徒歩でも十分に回ることができます。しかしそれらの間の町(トロワ・リビエールなど)やローレンシャン高原に行く場合は、レンタカーを使うことをお勧めします。
ケベック・シティ市内と近郊 Quebec City and vicinity
北米にあっては珍しく、城壁に囲まれた旧市街がある街。城壁内部にはカトリックの教会や聖堂がいくつもあり、フランスの影響を強く受けていることが感じられます。ケベック・シティは、街自体が世界遺産にも登録されています。
モントリオール市内と近郊 Montreal and vicinity
フレンチ・カナダの中心的な街。300万人近い人口を擁するカナダで2番目の大都市であり、高層ビルが建ち並ぶ近代的な新市街地と、観光馬車が走る石畳の旧市街地は対照的です。
ローレンシャン高原 Laurentian area
モントリオールの北約60kmにあるサン・サバールや、モン・トランブラン・ビレッジを中心に広がる広大なリゾート・エリア。森と無数の湖からなる大自然の宝庫です。とくに秋の紅葉の時期には、メープルやシラカバの木々が燃えるような赤や黄色に色づき、果てることなく続いています。一面の紅葉は、日本ではまず見ることのできない壮大なスケールです。
カナダ東部の紅葉の見頃
秋のカナダ東部に紅葉を観に行く旅行者が多くなっています。主な地域の紅葉の見頃は次のとおりです。
・ケベック・シティ:9月中旬〜10月上旬。
・ローレンシャン高原:9月中旬〜10月上旬。
・モントリオール:9月下旬〜10月中旬。
・ナイアガラの滝:9月下旬〜10月中旬。
※紅葉の見頃は、年によって変わります。標高や地形、植生などによっても変わります。目安としてお考え下さい。
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