カナダの西の玄関口であるバンクーバーは、トロント、モントリオールに次ぐ約180万人の人口を擁する、カナダ西海岸最大の都市です。太平洋を流れる海流の影響で気候は温暖であり、海の恵みのシーフードがおいしいことでも知られています。見どころはスタンレー・パークなど市内にあるいくつかの公園と、機能的なダウンタウン。アジアからの移住者も多く、チャイナタウンも北米有数の規模を誇ります。日本からのパッケージ・ツアーも立ち寄ることが多く、人気の高い都市といえます。

バンクーバー国際空港(YVR)はカナダの西のゲートウエイ。日本からは成田、名古屋、大阪から、日本航空、エア・カナダによって定期便が運行されています(所要時間は8〜9時間)。バンクーバー国際空港は市街の南西約15kmのところに位置しています。カナダでも有数の大型ターミナル空港であり、国内外の旅客機が頻繁に発着しています。空港からバンクーバー市内まではシャトルバス(所要時間40分〜1時間、$20)またはタクシー(所要時間約30分、$20〜25)で行くか、レンタカーを利用することになるでしょう。路線バスでも行くことができますが、乗り継ぎが必要です。バンクーバー国際空港のターミナルビルは1996年に改装されて近代的な建物になっています。飛行機を降り、入国審査カウンターに向かって歩いていくと、ネイティブ・カナディアンのトーテムポールが出迎えてくれます。
空港からバンクーバー市内へレンタカーで行くには、Grant
McConachie Wayから左折して、99号線(グランビル通り Granville
St.)に入り、北に向かいます。自分が今どの位置にいるのかは
交差しているAvenueのナンバーを見るとわかります(空港から出てフレーザー川(Fraser
River)を渡ったところが70th Ave.)。道路は碁盤目状に交差しているので、位置を認識はしやすいのですが、トロリーバスが頻繁に走っているため、通行には注意が必要です。
またバンクーバー市内中心部(ダウンタウン)は交通量が多く、車で移動するにはかえって不便さを感じます。特に朝夕のラッシュ時の運転は慣れない旅行者には避けた方が無難かもしれません。 主要ホテルやレストラン、ギフトショップなどは市の中心部に密集しているので、徒歩あるいは、トロリーバス(Trolley)、スカイトレイン(Sky
Train)を利用するのが便利です。ノースバンクーバーへはシーバス(Sea
Bus)が早くて便利です。これら3つの交通機関を使って市内を回るには、1日乗車券(Day
Pass:$6)がお得です。詳しくはBC Transit (http://www.bctransit.com/)のサイトを参照ください。
ただし郊外も含めた各所を見て回るには、やはりレンタカーが便利です。その他には、観光バスやタクシーを利用するのもいいでしょう。
写真:スタンレーパークから見たダウンタウンの眺め
ダウンタウン Downtown
ロブソン通り(Robson St.)からジョージア通り(Georgia
St.)、ダンズミュア通り(Dunsmur St.)にかけてのエリアがダウンタウンで最もにぎやかなところです。特にロブソン通りがグランビル通り(Granville
St.)と交わるあたりは、ザ・ベイ(The Bay)などのデパート、主要ホテル、ギフトショップが軒を連ね、地元の買い物客や観光客が集まるショッピング・ゾーンになっています。
たくさんのレストラン、カフェ、ブランド品のブティックが立ち並ぶロブソン通りは、夜遅くまで若者が集まる繁華街ですが、治安はおおむね良好で観光客もたくさん歩いています。またアルバーニ通り(Alberni
St.)は日本料理店や日系のおみやげ物店が集中しているので、日本人には歩きやすい場所の1つです。
おすすめ度 ★★
ギャスタウン Gastown
バンクーバーを開いたギャッシー・ジャック(Gassy
Jack)の銅像が立つギャスタウン。ダウンタウン東側にあるウオーター通り(Water
St.)一帯の石畳の地域を指しています。ギャッシー・ジャックの本名はジョン・デイトンといい、彼がこの一帯に酒場兼ホテルを開業したのがこの街の始まりとされているようです。ウオーター通りとキャンビー通り(Cambie
St.)の交差点には有名な蒸気時計 (Steam clock)があり、15分毎に汽笛で時間を告げています(ギャッシー・ジャック像はそれより、やや東にある
Maple Tree Squareにあります)。
さらに南東に足を延ばせば、活気に満ちた中華街(ChinaTown)まで行くことができます。ただし隣接する日本人街は半ばゴーストタウン化しており、日中でもホームレスがたむろして雰囲気が良くないので、立ち入りは避けた方が良さそうです。
おすすめ度 ★★★
 
ギャスタウンのシンボル、蒸気時計とギャッシー・ジャック像
クイーン・エリザベス・パーク Queen Elizabeth
Park
市街地から約6km南にある広さ53haの広大な公園で、春から秋にかけては美しい花が咲き誇ります。高さ140mの小高い丘には、バンクーバーの街を一望に見渡せる展望台があり、大勢の観光客が集まっています。展望台から一段低いところにある庭園は、サンケン・ガーデン(Sunken
Garden)といわれているもので、ビクトリアのブッチャート・ガーデンにも同じようなものがあります。ときおりウエディング・ドレスを着た花嫁が記念写真を撮っているほど、美しい公園です。
このほか園内にはテニス・コートや、500種類もの熱帯植物が育てられているという、直径50mのドーム状のブローデル温室(Bloedel
Conservatory)などがあります。市街地からキャンビー通りを南へ約6km進むか、オーク通り
Oak St.を南に向かい、41st Aveを左折して行くことができます。バスではCambie行きに乗り、33rd
Ave.下車。
おすすめ度 ★★★★
QEPのサンケン・ガーデン
スタンレーパーク Stanley Park
ダウンタウンから見て西側、バラード入江(Burrard
Inlet)に突き出た半島の全体がスタンレー・パークです。400haの広大な園内(日比谷公園の25倍)は深緑の木々が生い茂り、テニス、サイクリングやジョギングができる市民の憩いの場になっています。それと同時にバンクーバー最大の観光スポットとしても知られています(周囲
11kmの公園を回るにはレンタサイクルが便利です)。
見どころはトーテム・ポール・パーク(Totem
Poles Park)。それぞれ異なるインディアン部族が作った7体のトーテムポールが立ち並んでいます。また公園内のバンクーバー水族館(Vancouver
Aquqrium)は、カナダで最大の水族館であり、数多くの生物が展示されているほか、熱帯植物園なども併設されています。全身が白いクジラのベルーガやラッコも飼育されていて、なかなか見飽きません。館内のイベントとしては、迫力あるシャチ(Killer
Whale)のショーも行われています。水族館の入館料は大人$11.5(1996年)。
おすすめ度 ★★★★★
http://www.vanaqua.org/
スタンレーパーク名物のトーテムポール
ロンズデール・キー・マーケット Lonsdale Quay Market & Shops
スカイトレインのウォーターフロント駅からシーバスに乗り、約15分でロンズデール・キーに着きます。その埠頭に建つロンズデール・キー・マーケットには海産物や果物を売る店がいくつかあり、普通のショッピング・モールとは一味違った楽しみがあります。キャピラノ吊り橋やグラウス・マウンテン観光の帰りなどに寄ってみてはいかがでしょう。ホテルも併設されています。
おすすめ度 ★★
http://www.lonsdalequay.com/
グラウス・マウンテン Grouse Mountain
バンクーバー近郊のスキー場として知られるグラウス・マウンテンは、標高1128m。夏期はゴンドラ(Skyride)が運行しており、山頂からバンクーバーの市街地を見下ろすことができる眺めの良い場所です。
ゴンドラ乗り場までは、市街地から約10kmで、所要時間はおよそ30分。レンタカーかタクシーで、ライオンズ・ゲート・ブリッジ(Lions
Gate Bridge)を通り、ノース・バンクーバーの
Capilano Rd.を上っていきます。公共交通機関ではシーバスでロンズデール・キーに向かい、そこから路線バス236番に乗ります。
ゴンドラは往復大人$16(1996年)で、所要時間は片道約15分。ライオンズ・ゲート・ブリッジは平日の朝夕は渋滞がひどいので注意が必要です。ノース・バンクーバーへはハイウエイを使って迂回する方法もありますが、シーバスを利用するのが最も確実な手段のようです。
ライオンズ・ゲート・ブリッジは1938年に英国のギネス社が出資し、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジと同じ設計者によって作られたという吊り橋です。長さ1500m、橋脚の高さは116mで、北米で2番目に大きい吊り橋です。橋の上を通る道路は3車線あり、中央の狭い車線は時間帯によって走行する向きが変わるので注意が必要です。
おすすめ度 ★★
http://www.grousemtn.com/
キャピラノ吊り橋 Capilano Suspension Bridge
グラウス・マウンテンのゴンドラ乗り場から、Capilano
Rd.を数分下ったところに、この公園の入り口があります。キャピラノ吊り橋は、キャピラノ渓谷にかかる長さ137mの細い吊り橋。渓谷の底からは橋までの高さは約70m。橋はかなり横揺れするので、なかなかスリルがあります。公園の入場料$8を払って入ると、この吊り橋を渡ることができるほか、園内ではトーテム・ポール制作の実演なども見ることができます。
おすすめ度 ★★★
http://www.capbridge.com/
揺れるキャピラノ吊り橋はスリルがあって楽しい
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