1895年に国立公園に指定されたウォータートン・レイク国立公園の魅力は、「山脈が大平原に出会うところ(Where
the mountains meet the prairie)」というキャッチフレーズに凝縮されています。ロッキー山脈と平原が接しているこのエリアには、草地、森、高山、湿地とさまざまな景観を見ることができます。このため多様な植生に恵まれ、クマなどの多くの野生動物の住むところとなっています。1932年にアメリカのグレイシャー国立公園とともに、世界で始めての国際平和公園(International
Peace Park)となり、1995年にはUNESCOの世界遺産に登録されています。
このページでは、アルバータ州の南端に位置する「ウォータートン・レイク国立公園」ならびにアメリカ・モンタナ州に位置する「グレイシャー国立公園」の主要な見どころと、アルバータ州南部にあるUNESCO世界文化遺産、「ヘッド・スマッシュド・イン・バッファロー・ジャンプ」を紹介します。
ウォータートン・グレイシャー公園の入口に立つサイン

ウォータートンへのアクセスは、カルガリーから南に約270km、2号線でFort
Mcleodを経由して、3号線で Pincher
Creekまで行き、6号線を南下します。最寄りの空港はレスブリッジ
Lethbridgeにあり、ここからは約130km。
ルートA:バンフ/レイクルイーズ方面からウォータートン国立公園へ向かうルート
Lake Louise Junction --- 27km(#1)
--- <Castle
Junction> ---32km(#1) ---
Banff
Castle Junction --- 105km(#95) --- Radium
Hot Springs
Radium Hot Springs --- 32km(#95) --- Fairmont
Hot Springs
Fairmont Hot Springs --- 67km(#93/#95)
--- Wasa
Wasa --- 32km(#104A) --- <JCT(#93/#3)>
(クランブルック Cranbrook方面に向かい、途中の分岐で3号線へ)
<JCT(#93/#3)> --- 55km(#3/#93) ---
Elko
Elko --- 32km(#3) --- Fernie
Fernie --- 32km(#3) --- Sparwood
Sparwood --- 21km(#3) --- Crowsnest Pass
Crowsnest Pass --- 65km(#3) --- Pincher
Creek
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Castle Junction --- Pincher Creek 片道走行距離 441km(バンフからは473km)
ルートB:カルガリー方面からウォータートン国立公園へ向かうルート
Calgary --- 98km(#2) --- Nanton
Nanton --- 40km(#2) --- Claresholm
Claresholm --- 37km(#2) --- Fort Macleod
Fort Macleod --- 45km(#3) --- Pincher Creek
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Calgary --- Pincher Creek 片道走行距離 220km
ルートC:ピンチャー・クリークからウォータートンまでのルート
Pincher Creek --- 48km(#6) --- Waterton
したがってキャッスル・ジャンクションからウォータートンまでの走行距離は、ルートA+ルートCで489km、(バンフからは473km)、
カルガリーからウォータートンまでの走行距離は、ルートB+ルートCで268km、
バンフからカルガリー経由でウォータートンまでの走行距離は、123km+ルートB+ルートCで391km。
ウォータートン・レイク国立公園(Waterton
Lakes National Park)を観光するためには、アッパー・ウォータートン湖のほとりにあるウォータートンの町が観光の拠点になります。町のシンボルにもなっている「プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル」は湖を見下ろす高台にあります。そこから眺めるアッパー・ウォータートン湖は国境を越えてモンタナ州のGoat
Hauntまで続いており、両側から湖にせり出す山並みは幾重にも重なって、美しいグラデーションを見せてくれます。

プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル Prince
of Wales Hotel
アッパー・ウォータートン湖を見下ろすこのホテルは、周囲の景色に溶け込んで、一枚の絵のような風景を作り出しています。ホテルは作りが古く、機能的ではありませんが、湖に面したレストランで昼食をとると優雅な雰囲気が味わえます。ギフトショップもあり、ホテルの関連グッズやプリンセス・オブ・ウェールズだったダイアナ妃をフィーチャーしたお土産物が売られています。

(左)プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル外観。 (右)ホテルの建つ丘から見るアッパー・ウォータートン湖。
キャメロン滝 Cameron Falls
ウォータートンの町から徒歩で簡単に行くことができるキャメロン滝は、小さいながらも水が斜めに流れ落ちる特徴のある形をしていて、散策の途中に立ち寄るのがおすすめです。

キャメロン・レイク Cameron Lake

アッパー・ウォータートン湖クルーズ
湖の対岸のGoat Hauntまで、往復2時間の船旅が楽しめます。
バッファロー・パドック Buffalo Paddock
ウォータートン国立公園の入口付近にあるなだらかな丘にある、バッファロー・パドックでは、野生のバッファローが保護されています。同様のパドックは以前バンフ近郊にもありましたが、現在は閉鎖されているため、バッファローを見るならこちらをおすすめします。パドック全体が草地で開けているため、バッファローを見られる確率は高いです。

(写真)パドックを車で回ると、たくさんのバッファローが。

(左)モンタナ州に入ったことを表す標識。 (右)グレイシャー国立公園のエントランス。
グレイシャー国立公園(アメリカ側・モンタナ州、Glacier
National Park)
ウォータートンからグレイシャー国立公園へ行くには、Chief
Mountain International Highwayを経由して国境を越え、公園の東の入口であるセントメリー(Saint
Mary)から西のアプガー(Apgar)を結ぶ観光ルート「太陽へ続く道(Going-to-the-Sun
Road)」に入るのが一般的です。ウォータートンからセントメリーへの所要時間は1時間20分。ウォータートン・タウンサイトを出て5号線を約5km、6号線に入り約15km、チーフ・マウンテンの国境ゲートを越えて州道17号線(State
17)を14km、国道89号線(US-89)13kmでセントメリーに入ります。ここからNational
Park Roadに入って、国立公園ゲートでライセンス料(最低
7日間、US$10)を支払います。

Waterton --- 30km(#5,#6) --- Chief Mountain
Port of entry
Chief Mountain --- 21km(#17/#2) --- 6km
--- Babb
Babb --- 14km --- St.Mary (Babb --- 19km
--- Many Glacier)
St. Mary --- 29km(GTTS Road) --- Logan
Pass
Logan Pass --- 54km(GTTS Road) --- Apgar
セントメリー・レイク(St.Mary Lake)
セントメリー側の公園入口から Going-to-the-Sun
Roadに入り、まもなく現れる美しい湖。ビュー・ポイントからの眺めは素晴らしいものです。

太陽へ続く道(Going-to-the-Sun Road)
Going-to-the-Sun Roadは、ローガン・パス(Logan
Pass)付近では道幅は狭く、急なカーブが連続します。この道路が通行できるのは6月中旬〜10月中旬までで、狭くて急な坂道のため天候による閉鎖もあり得ます。東の入口であるセントメリー(St.Mary)から西の入口のアプガー(Apgar)までの所要時間は1.5〜3時間。長さ21ft.、幅8ft.以上の車は通行できません。

(左)Going-to-the-Sun Roadを行く車の列。 (右)ローガンパス付近から見たGoing-to-the-Sun
Roadの遠景。
ローガン・パス(Logan Pass)
Going-to-the-Sun Roadの最高地点がローガン・パス
(2025m)で、公園のビジターセンターがあります。ここからヒドゥン・レイクまでの軽ハイキングは、往復2時間程度で歩けるのでおすすめです。ほぼ全行程が視界の開けたトレイルで、途中ビッグホーン・シープ、マウンテン・ゴートに出会うこともあります。

(左)ローガン・パス・ビジターセンターからヒドゥン・レイクへのトレイル。 (右)ヒドゥン・レイクを見下ろすビューポイント。
カナダ側のウォータートンからレンタカーで一旦アメリカ合衆国に入り、グレイシャー国立公園を観光する場合の注意事項をいくつか述べます。レンタカーで国境を越える場合でも、カナダ国内に戻って返却する場合には、借り出しの際の特別な手続きは不要です。有効なパスポートを所持していれば、いくつかの質問に答えるだけで国境を通過することができます。
アメリカへの入国時、アメリカ合衆国の税関係官に聴かれる質問の例は以下のようなものです。
・アメリカ入国の目的は? アメリカ国内での滞在日数は? 次の宿泊地はどこか?
・十分なUSドルを持っているか? 酒類やたばこを持っていないか? 売るための商品を持っていないか?
・銃や武器を持っていないか?
トランクの荷物も検査される場合がありますので、酒類・たばこの量を含めて虚偽の申告はしないようにしましょう。
また私(管理人)が訪れた時は、「I-94Wをなぜ持っているのか?」と聴かれたのですが、これはシアトル経由でバンクーバーから入国したためで、きちんと説明できれば何の問題もありません。アメリカを経由せずに直接カナダに入国した場合は別途6ドルを支払い、I-94Wを発行してもらいます。
帰路にカナダに入国する際にも、いくつかの質問に答えなければなりません。アメリカ入国の時とほぼ同じ内容ですが、特に、酒類やたばこを持っているか? 売るための商品を持っていないか? 銃や武器を持っていないか? などについて聴かれます。
また基本的にはI-94Wを回収されることになりますが、近日中にアメリカを再訪する予定があれば、その旨を伝えて残しておいてもらうこともできます。
この場合は「○月○日に△△空港を経由して日本に帰国する」と説明できれば簡単に済ませることができます。係官が納得しなければ帰国便の航空券を提示するのも1つの方法です。
チーフ・マウンテンの国境ゲート(Chief Mountain
Port of Entry)は夏期のみ開いており、また夏期においても夜間は閉鎖されます。ゲートが閉まっている時刻はカナダ側に戻れないので、旅程を組む場合やグレイシャー国立公園内滞在中は十分に注意をしてください。
5月15日〜5月31日:午前9時〜午後6時
6月1日〜9月4日:午前7時〜午後10時
9月5日〜9月30日:午前9時〜午後6時

ヘッド・スマッシュド・イン・バッファロー・ジャンプ Head-Smashed-In
Buffalo Jump
この地方の先住民族が長年続けてきたバッファロー狩りの方法は、群を誘導して崖から落とすというものです。この歴史的にも貴重な崖はユネスコの世界文化遺産として登録されており、間近に見ることができます。また狩りの方法や当時の生活様式を展示するインタラクティブ・センターも併設されています。

(左)インタラクティブ・センターの看板。 (右)バッファローを突き落とした崖。
ウォータートン・レイク国立公園に関するQ&A |
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