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カナディアン・ロッキーの野生動物と野生動物目撃マップ |
広大な山岳地であるカナディアン・ロッキーには、数多くの野生動物が生息しています。グリズリーなどのように見たいと思ってもなかなかお目にかかれない動物もいれば、エルクのように、バンフやジャスパーなどの人里にも頻繁に姿を現すものもいます。せっかくカナディアン・ロッキーを訪れたなら、日本では見ることのできない野生動物にぜひ出会ってみたいと思うのが、私たち観光客にとっての共通した思いだと言えます。
このページでは、カナディアン・ロッキーで見られるいくつかの野生動物の紹介と、読者の皆さんから寄せられた目撃情報をもとに作成した「野生動物目撃情報マップ」をご覧いただけます。ぜひ皆さんのワイルドライフ・ウオッチングの参考にしてください。
なお「目撃情報マップ」のデータは、あくまでも投稿者が「動物を見た!」という情報をもとに「目撃頻度」を表したものですので、純粋な生息数分布とは異なります。当然ながら観光客が動物を見られる場所には限度がありますので、主にハイウエイ沿線やハイキング・トレイルに集中していることをご承知おきください。生息数はアルバータ州政府発行の冊子の情報を引用しています。
※「野生動物目撃情報データベース」へ情報を投稿してくださった皆さん、ありがとうございます。
引き続き投稿を受け付けています。また情報が集まりましたらコンテンツに反映させますので、よろしくお願いします。
エルク Elk, Wapiti |
大型のシカの仲間で、数頭の群で行動していることが多いようです。雄は大きな角があり、相当な迫力があります。
郊外では道路沿いの林の中にいることもありますが、バンフやジャスパーの町中にも現れるほどなので、カナディアン・ロッキーで最も頻繁に見られる野生動物の1つと言えます。
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よく見られる場所 |
バンフ、ジャスパーの町中および近郊。ボウバレー・パークウェイなど。 |
国立公園内推定生息数 |
バンフ 1600〜3200、ジャスパー 1300、ヨーホー 25〜50、クートネイ 50〜75
(国立公園発行冊子による) |
出会いが期待される時間帯 (「野生動物目撃情報データベース」からの分析値)
朝(日出〜9時) 9件(39%)、午前(9〜12時) 2件(9%)、午後(12〜15時) 4件(17%)、午後(15〜18時) 4件(17%)、夕方(18時〜日没) 4件(17%) |
目撃頻度マップ
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ミュールジカ Mule Deer、ホワイトテール White
Tailed Deer |
いずれもシカの仲間で、ホワイトテールはその名の通り尾の部分が白く、ミュールは尾の部分も黒っぽい色をしています。
郊外ではエルクと同じように林の中から現れることが多いようですが、町中に出没することはあまりないようです。 |
よく見られる場所 |
ジャスパー近郊、ボウバレー・パークウェイなど。 |
国立公園内推定生息数 |
生息数の情報はありません。 |
出会いが期待される時間帯 (「野生動物目撃情報データベース」からの分析値)
朝(日出〜9時) 0件、午前(9〜12時) 1件(20%)、午後(12〜15時) 0件、午後(15〜18時) 3件(60%)、夕方(18時〜日没) 1件(20%) |
目撃頻度マップ
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ビッグホーン・シープ Bighorn Sheep |
丸く巻いた大きな角をもつヒツジの仲間です。山地にいることが多いので、例えばバンフの近くでも、マウント・ノーケイなどに行けば見られる確率が高くなります。たいてい群で行動しているので、出会うときは一度にたくさん見ることができます。
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よく見られる場所 |
道路わき、草地、林間、がけ地など。 |
国立公園内推定生息数 |
バンフ 2000〜2600、ジャスパー 2500〜3000、ヨーホー 0、クートネイ 100〜140 (国立公園発行冊子による) |
出会いが期待される時間帯 (「野生動物目撃情報データベース」からの分析値)
朝(日出〜9時) 1件(6%)、午前(9〜12時) 4件(24%)、午後(12〜15時) 6件(35%)、午後(15〜18時) 6件(35%)、夕方(18時〜日没) 0件 |
目撃頻度マップ
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マウンテン・ゴート Mountain Goat (イワシロヤギ) |
名前の通り、切り立った岩山の上に住む白い毛のヤギの仲間です。雄雌ともに細くとがった2本の角があります。アイスフィールド・パークウエイの「ミネラルリック」が目撃情報集中ポイントです。ここでは多数の群れで、土の中の塩分をなめているので、ハイウエイの路肩には動物ウオッチャーの車の列ができています。
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よく見られる場所 |
険しい山の斜面、がけ地。「ミネラル・リック」 |
国立公園内推定生息数 |
バンフ 800、ジャスパー 250〜300、ヨーホー 300〜400、クートネイ 250〜300 (国立公園発行冊子による) |
出会いが期待される時間帯 (「野生動物目撃情報データベース」からの分析値)
朝(日出〜9時) 2件(22%)、午前(9〜12時) 1件(11%)、午後(12〜15時) 3件(33%)、午後(15〜18時) 3件(33%)、夕方(18時〜日没) 0件 |
目撃頻度マップ
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ムース Moose |
別名ヘラジカで、世界最大のシカと言われることもありますが、分類学上はシカではなくウマの仲間にあたります。オスの背丈は2mを超え、体重も600kg以上になると言われています。水辺の草を好んで食べることから湿地帯にいることが多いようです。オスは"ヘラ状の"大きな角を持っています。 |
よく見られる場所 |
ジャスパー周辺の湿地帯、湖畔など。 |
国立公園内推定生息数 |
バンフ 50〜80、ジャスパー 80〜100、ヨーホー 40〜60、クートネイ 50〜70 (国立公園発行冊子による) |
出会いが期待される時間帯 (「野生動物目撃情報データベース」からの分析値)
朝(日出〜9時) 0件、午前(9〜12時) 2件(50%)、午後(12〜15時) 1件(25%)、午後(15〜18時) 1件(25%)、夕方(18時〜日没) 0件 |
目撃頻度マップ
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ブラックベア Black Bear |
ブラックベアは基本的には草食動物ですが、ばったり遭遇すると襲われることもあり、キャンプやハイキングなどのアウトドア・アクティビティで山に入る場合は気をつけなければならない動物です。ときには道路の近くにも降りてくるので、運が良ければ一般観光客でも見ることが可能です。
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よく見られる場所 |
林間、草地など。 |
国立公園内推定生息数 |
バンフ国立公園内に 50〜60頭 (参考文献 1)。 |
出会いが期待される時間帯 (「野生動物目撃情報データベース」からの分析値)
朝(日出〜9時) 1件(7%)、午前(9〜12時) 3件(20%)、午後(12〜15時) 2件(13%)、午後(15〜18時) 7件(47%)、夕方(18時〜日没) 2件(13%) |
目撃頻度マップ
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グリズリー Grizzly Bear |
どう猛なイメージがついて回りますが、食物の90%は植物やベリー類です。カナディアンロッキーの国立公園内ではブラックベアーよりも生息数が多いとのことですが、夏は標高の高い場所に移動し、より人里から離れた場所に生息するためか、遭える可能性は低いようです。 |
よく見られる場所 |
谷底から山頂まで広範囲。 |
国立公園内推定生息数 |
カナディアンロッキー国立公園内に約200頭(参考文献1) |
出会いが期待される時間帯 (「野生動物目撃情報データベース」からの分析値)
朝(日出〜9時) 1件、午前(9〜12時)、午後(12〜15時)、午後(15〜18時)
1件、夕方(18時〜日没) |
目撃頻度マップはありません。 |
ビーバー Beaver |
かつてカナダの西部が開拓されたのは、ビーバーの毛皮を取るのが大きな目的だったという歴史がありますが、当時は乱獲の影響で生息数は随分減少したようです。もちろん現在では捕獲することはできず、他の野生動物と同様に保護されています。ロッキーエリアまたはBC州内陸部の沼地に生息しているとのことですが、主に夜行性であることから、目撃は簡単ではありません。木の枝を集めてダムを作って巣を作るという習性はお馴染みです。 |
よく見られる場所 |
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国立公園内推定生息数 |
生息数の情報はありません。 |
出会いが期待される時間帯 (「野生動物目撃情報データベース」からの分析値) |
目撃頻度マップはありません。 |
ターミガン Ptarmigan (ライチョウ) |
日本では北アルプスの高山(富山県の立山や長野県北部)にわずかに生息しているので特別天然記念物に指定されています。冬は白い羽毛、夏はまだら模様の羽毛に生え替わるので、カナディアン・ロッキーのターミガンも日本のライチョウとほぼ同じ種類のものなのでしょう。標高の高いハイキング・トレイルで見ることができます。写真はアメリカのグレイシャー国立公園で撮影したものです。
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よく見られる場所 |
情報はありません。 |
国立公園内推定生息数 |
生息数の情報はありません。 |
出会いが期待される時間帯:目撃情報が少ないため統計処理は行っていません。 |
目撃頻度マップはありません。 |
リス Squirrel (シマリス Chipmunk、ジリス Ground Squirrelなど) |
ロッキーでハイキングをしていると出会うことの多い小動物。
シマリスは岩場や木の幹の巣穴からちょろちょろと出てくることが多いようです。レイクルイーズやモレーンレイクの湖畔にもたくさんいるので、多くの観光客にとってもおなじみの野生動物でしょう。これらの観光ポイントでは、リスも人に慣れているせいか、あまり逃げないし、向こうから近寄っ来ることもあります。思わず餌をあげたくなっても、じっと我慢しましょう。
ジリスはその名の通り、地面に穴を掘って巣を作ります。主に草地や開けたハイキング・トレイルで見ることができますので、チッチッという鳴き声が聞こえたら辺りを見回してみましょう。巣穴から出てきて、立っているジリスを見ることができるかもしれません。
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よく見られる場所 |
レイクルイーズ湖畔、モレーンレイク・ロックパイル、Mt.エディスキャベルなど各地(シマリス)
ウィスラーズ、サンシャイン・メドウズなど各地(ジリス) |
国立公園内推定生息数 |
多数 |
出会いが期待される時間帯:随時。 |
目撃頻度マップはありません。 |
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